
| その2 |
| 私自身はこの件に関してアメリカに渡り、Magic
Castles IncのプレジデントであるMilt Larsenやthe
Academy of Magical ArtsのプレジデントであるDale
Hindman、またマジック・キャッスルに訪れているマジシャン達と話をする機会を持ちました。日本に帰ってきてからはWorld
Alliance of Magicians (WAM)のプレジデントであるWalter
Zaney Blaney氏とメールでの意見交換も行いました。最終的には「
You sound like a very nice gentleman and
a good magic friend.」と言っていただきメール上ですが「I
hope we get to meet one day soon.」となりまして、個人的には本当に会えることを楽しみにしています。 アメリカでのリサーチの内容はJMAA(ジャパン・マジカル・アーツ・アソシエーション)のホームページでも紹介しているところですが、単純に言ってしまえば、やはり人それぞれ、様々な意見があります。ただ言えることは大抵のマジシャンは興味本位、人々のマジックに対する興味を失わせてしまうようなマジックの秘密の扱いには反対であると言うことで、これは私も同意見です。では、どこまでが良くてどこからが望ましくないのか? このライン引きがマジシャンの間でも異なるのです。これは各マジシャンの経験やマジックに対するスタンスによっても異なります。パフォーマーとしてのみの観点である場合、「自分が最も演技をしやすい理想的な環境は自分と観客とのマジックの知識が100対0であること」という主張から観客には全く知らせるべきではないとの意見もあるでしょうし、マジックを啓蒙し若い芽を育てることを考えているマジシャンはテレビでのレクチャーの効果を認める意見も出ることでしょう。マジックの可能性をどこまで感じているかによっても差がありますし、そのマジシャンが主にクロースアップマジックを演じるのかイリュージョンを演じるのかでも考えに差が生じます。 私が国内で会ったある高名なマジシャンはタネ明かし問題に対する反対派の反応を評して「戦後、食糧不足の中で育った大人達が今の子供達に『食べ物を残さず食べなさい!』と言うようなもの」と言いました。確かに、一側面を突いていると思えます。かつて力書房から「奇術研究」が発行されることになったとき「一般書店でそんなに安価にマジックのやり方を入手出来るようにするとは何事だ!」と反対の声が挙がったと聞きました(私はリアルタイムで体験しているわけではないのですが・・・)。しかし、現在では「奇術研究」の影響により日本で優れたマジシャンが生まれた事実があります。時代は流れ、様々なメディアが生まれています。マジックを覚える手法もメディアの多様化に応じて今後も様々な形が生まれるでしょうし、そうあるべきです。さもなければマジックのみが他の文化、芸術、エンターテイメントの発展から乗り遅れてしまいます。今、現役で活躍しているマジシャンにマジックに興味を持ったきっかけを聞くとそれはプレゼントにもらったマジックの道具だったり、ふとしたことから手に入れたマジックの本だったりします。しかし、近い将来には「子供の時にテレビでマジックのやり方を覚えて・・・・」と答えるマジシャンが誕生するかもしれません。 |