「マジック・マスター」マジックカードPROについて
文:林敏明

その1
先月マジェイア氏のホームページに「マジックカードPRO」に関して、書いている当人が事実関係を誤解しているように感じた記述がありました。ホームページとして内容が充実し完成度も高いと、書かれていることに説得力を持ってしまうという弊害がインターネット上では起きています。氏の作られているホームページにより同様の事実誤認が起きることは残念なことであり、前後関係のリサーチなしに手にしたデックだけで全てを判断しているような記述だったので、ここに開発コンセプトから含めて「マジックカードPRO」について書かせていただきます。

「マジックカードPRO」は株式会社ティーアイ東京が発売しているプレイングカードです。企画の段階からウィザードインの多くのマジシャンが参加し、「マジシャンがマジックを演じる時に使い易いカード」ということを開発コンセプトに去る7月26日に一般発売されました。
今までほとんどのマジシャンは「バイシクル」を使っていたと思いますが、その最大の理由は、「バイシクル」以外にそれ以上のカードがなかったからではないしょうか。難癖をつけるつもりはありませんが、マジックにちょっと深く興味を持った人は、「バイシクル」に対する不満は全くないのでしょうか。私自身が体験し、また多くのマジシャン、店員から聞いた意見を取りまとめると、「バイシクル」に対して以下のような声がありました。
・ カードの色味がロットによって違う。
・ 印刷のずれがひどい。
・ 開封直後はニスの利きが強くてすべり過ぎるために、慣らしてからでないと使いづらい。
・ 生産工場によって同じ「バイシクル」ブランドでも等級がある。

一言でいうと品質が一定ではないということです。毎回デックを新しく交換するたびに「慣らし」をして、すべり具合を調整しなくてはいけないカードが、果たして使い易いカードといえるのでしょうか。
そういう様々な声や自分の実体験から、そのような不満を解消できるカードがないのであれば、逆に満足できるカードを作ってしまおうという話になりました。当然プロマジシャンが、自分達が使い易いようにと考えたカードですから、単に品質が一定であれば良いというわけではなく、次のようなことも考えていました。
・ 開封してすぐにつかえるようにニスの混合比を調整する。
・ 裏面のデザインはカラーチェンジを行った時に解り易いようなデザインにする。
・ 色数も豊富に用意し、マジックの幅を広げられ易いように考慮する。
・ ダブルリフトや、カウントなどがやり易いようにエンボス加工を無くす。
・ 耐用性も考え、5層構造の紙を使用する。

これらの「マジックに使い易いカード」へのこだわりを満たすために、国内の印刷工場と度重なる試作試験を重ねて「マジックカードPRO」はできました。
このこだわりがあるが故に、開発に携わったマジシャンは自信を持って、「マジックカードPROは、マジックのために作られた使い易いカード」とお薦めできるのです。
「バイシクル」と同じものを目指していたわけではないので、当然の事ながら「バイシクル」に慣れ親しんだ人ほど、「バイシクル」とのギャップを感じ、当初は使いづらいと感じるのは仕方のないことだと思います。また「マジックカードPRO」といえども万能なカードでないことは重々承知しています。5層構造の紙を使っているが故に、丈夫ですが固いので、「ミリオンカード」などのフラリッシュには向かないでしょう。
価格面でも言及されていますが、確かに「バイシクル」は世界中で流通されているため、大量生産によるコスト削減をされたカードであることは事実であり、低価格が実現されていますが、価格が重要なのであれば、100円ショップでもトランプは売っています。より良いものをより安価で提供することは、企業努力としてこれを怠る気持ちは微塵もありません。

株式会社ティーアイ東京はトレーディングカードメーカーとして4年前に発足したメーカーであり、その市場では多くのお客様に楽しんでいただける製品を作り続けています。このトレーディングカードという遊びの楽しさを知っている子供達にも、マジックというジャンルに興味を持ってもらおうというコンセプトにより、「マジックカードPRO」には「ブースターパック」という拡張パックが同時発売されました。12月にはシリーズパート2も発売になり、さらにたくさんのマジックが演じられる楽しいカードが増えています。この「ブースターパック」に入っているカードも、プロマジシャンが、こんなカードがあったら楽しい、こんなマジックを演じてみたいというアイディアが豊富に取り入れられています。
また、このブースターパックには、手に入れたカードで自ら新しいマジックを創造して欲しいという願いも込められています。決して100個、200個買って欲しいがためにブースターパックが存在するのではなく、欲しいカードは友達と交換して集めるという「トレード」のために存在するのです。

繰り返しになりますが、ホームページの中には、間違った情報、浅い考察のみで根拠のない結論に帰着しているものが見受けられます。マジックを始めたばかりの人々がそんな情報を鵜呑みにすることのないよう、この場を借りて文章をアップさせていただきました。
「マジックカードPRO」が使い易いカードなのか、否かはこれを読んでいる皆さんが判断してください。間違っても単なる誹謗中傷記事だけを鵜呑みにすることなきようお気を付けください。

2001年12月6日

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